【多摩市・稲城市】「都市農地の持続的な発展及び都市農地の保全に関する要望書」が提出されました。この要望書の重要性と背景にある問題点とは?

東京都

2026年8月25日、多摩市、稲城市、日野市の3市長と東京南農業協同組合(JA)の組合長は連名で、「都市農業の持続的な発展及び都市農地の保全に関する要望書」を財務省および農林水産省へ提出しました。(稲城市HP

この要望が、なぜ私たち市民の日々の暮らしにも深く関わるのか、その背景と重要性を簡潔に解説します。

オークネットとの包括連携協定を締結した稲城市役所

1. 街のなかに「畑」があるメリット

住宅街に近接する農地は、単に新鮮な野菜を生産・供給する場所(地産地消)にとどまりません。 市民の安全で快適な暮らしを支える、以下のような重要な役割を担っています。

防災空間の確保:地震などの大規模災害時、延焼を防ぐ防火帯や、避難場所・避難路として機能
環境の保全:ヒートアイランド現象を和らげ、都市の気温上昇を抑える
景観の維持:都会にいながら季節の移ろいを感じられる、良好な都市景観を作る
学びの場(食育):子どもたちが土に触れ、収穫や食について学ぶ体験の場を提供する

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このように、近くに畑があることは、都市全体の安全性や快適さに直結しています。

2. 相続税の盲点:なぜ、今ある畑が消えてしまうのか?

しかし、多摩エリアでは地価が非常に高いため、農家が代替わりする際、多額の相続税負担に耐えきれず、やむを得ず農地を処分するケースがあります。

国には「農業を継続する限り相続税の納税を猶予する制度(相続税納税猶予制度)」がありますが、現行制度には大きな盲点があります。

この猶予制度の対象となるのは主に「農地(土の地面)」のみであり、営農に欠かせない「建物や設備(営農基盤)」は十分な措置が講じられていません。 農業を続けるには、土地だけでなく以下の施設が一体として維持される必要があります。

多摩市・稲城市の穴場初日の出スポット

・トラクターなどを収納する「農機具倉庫」
・野菜を洗浄・袋詰めする「農産物出荷作業施設」
・家畜を育てるための「畜舎」
・農作業の休憩施設

これらの倉庫や作業施設が対象外であるために、施設を維持できず廃業へ追い込まれ、結果として農地そのものの減少につながっています。

3. 市長たちが国に強く求めた「2つの改善策」

貴重な街の農地を守り、次世代へ引き継ぐため、3市とJAは国(農林水産大臣および財務大臣)に対して、以下の2点について早急な制度見直しを強く求めました。

① 相続税納税猶予制度の対象を「営農施設」へ拡大すること
農地そのものだけでなく、農業用倉庫、出荷作業場、畜舎、休憩施設など、営農継続に必要不可欠な農業用施設についても納税猶予の対象に含めること。

② 地産地消に取り組む自治体への財政支援を拡充すること
地元農産物を学校給食に供給する事業など、地産地消の推進に取り組む自治体に対して、国からの財政的な支援を強化すること。

まとめ

普段の暮らしの中で、見かける身近な農地。それらを維持するための仕組みづくりが問われています。

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