【多摩市】授賞式レポート③第13回TAMA映画賞授賞式・最優秀男優賞/最優秀女優賞の方々の様子をご紹介します!
第31回映画祭TAMAシネマフォーラムの最終日の2021年11月21日(日)、府中の森芸術劇場どりーむホールにおいて「第13回TAMA映画賞授賞式」が開催されました。
最終回の今回は、最優秀男優賞と、最優秀女優賞の方々の様子をご紹介します!
【多摩市】授賞式レポート①第13回TAMA映画賞で最優秀新進女優賞と最優秀新進男優賞の方々の様子をまとめました!
最優秀女優賞 有村 架純氏
「花束みたいな恋をした」において、生活の中にある会話や沈黙、表情、仕草を細やかに表現し、役柄への深い洞察に基づいた体感を感じさせるような演技が評価され、今回受賞に至った有村 架純さん。
「主人公・絹は一人でも生きていけるような女性なのかな」と考えたという有村さん。
自分の好きなものを大事にしている女性である一方、社会で受け入れられない難しさにも直面する中、恋人・麦と出会うことにより、二人で共有できる喜びを知ってしまった様子を(恋人役を演じた)菅田さんと大切に表現したそうです。
「ビリギャル」で土井監督と、そしてドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」で脚本の坂元裕二さんと一緒にお仕事をされた経験のある有村さんは、「信頼している方々と時間を共有できることが幸せでした」と語っていました。
今後30代に向けて、演じる役の幅を増やしたい、尊敬する先輩に追いつけるよう、しっかり歩いていきたいと語っていました。
最優秀女優賞 尾野 真千子氏
「茜色に焼かれる」において、理不尽な現実を怒りとともに飲み込みながら、愛と未来のために戦い続ける母親を、緩急の巧さと気迫ある演技で見事に表現したことが評価され、今回受賞に至った尾野 真千子さん。
役を演じるのは「とても楽しかった」と語る尾野さんは、劇中で幼馴染の彼氏に裏切られるシーンでは、第二の人生が輝いていけると思った矢先の裏切りに、気持ちが現場に帰ってこれないほど役と共に本当に腹がったという尾野さん。
役柄と一体化する尾野さんの女優魂に触れることのできたエピソードを聞くことができました。
コロナ渦の環境のもと、現場は最小限の人数で撮影が行われていたそうでスタッフさんと共に「一つにならざる得ない状況」がそこにはあったそうで、より人の暖かさを知るに至ったと語っていらっしゃいました。
壇上では、表情豊かにゆっくり語られていた尾野さん。時にユーモアを含みながらとてもチャーミングな印象を残して帰られました。
最優秀男優賞 菅田 将暉氏
今年度は「花束みたいな恋をした」「キネマの神様」「浅田家!」等数々の話題作に出演した菅田 将暉さん。
「時代・地域・役柄・作風の全く異なる幅広いジャンルの作品に出演し、日常も虚構も自在に着こなして魅せる個性は、実在の人物のような手触りとともに唯一無二の輝きを放っていた」と評され、今回受賞に至ったそうです。
山田洋次監督の「キネマの神様」では、劇中で映画監督の役を経験し、改めて映画に関わる人々への尊敬の意を持ったと共に、自分の仕事に誇りを持つことができたそうです。
しかし、その直後にコロナ禍で、たくさん悲しい出来事に直面する中、それでも映画を作り続ける皆さんに自身も加わることができ、作品が完成して、いざ公開をする段階に来ても幾重の公開延期、公開が叶った後は、厳しい入場制限が伴う上映の中、出演者として「映画館に見に来てください」との言葉も言えなかったと苦悩を明かしていました。
この様に心底仕事と向き合った1年間の締めくくりに、自身、そして関わった作品が評価され受賞に至った事を心から喜んでいると語っていました。
そして「花束みたいな恋をした」を監督した土井監督、共演の有村 架純さんが壇上に集い、作品の制作エピソードを語りました。
菅田さんが“恋愛映画に出たい”という思いを脚本の坂元裕二さん、土井監督に訴え続けたことが、この映画の発端であったそうで、打ち上げや、授賞式の席で会うたびに訴求し続けていた必死な菅田さんの様子が明かされ、場内は笑いに包まれていました。
土井監督は、カメラが止まっている時も多摩川のほとりに麦と絹が寄り添っていた姿が印象に残っていると語っていました。
「花束みたいな恋をした」は、京王沿線でたくさん撮影されており、多摩市・稲城市在住の方に縁深い多摩川が印象的に登場します。
ご覧になる際は、この辺りもご注目くださればと思います!
最優秀男優賞 役所 広司氏
「すばらしき世界」において、報われない一人の男の美しさ、暗さと人生のさまざまな深遠を憎めない愛らしい一面をものぞかせることで、観る者に胸を締め付けられるような切なさ、虚しさの思いをかき立たせる演技が評価され、今回受賞に至った役所 広司さん。
もともと西川美和監督の作品が好きだったという役所さんは、「すばらしき世界」の出演を大変喜んでいたそうです。
主人公・三上を、絶対近づきたくない、やっかいな男だと思ったとしつつ、周りの人達は迷惑なんだけど、手を差し伸べずにはいられない愛嬌を天性持っていた人物だと考え演じていたそうです。
そして今後演じたい作品について「じいさんのロードムービーに出演したい。」と話していらしたことも印象的でした。
「Shall we ダンス?」など数々の名演技を魅せてこられた役所さんの壇上の姿は、ここまでキャリアを重ねて来られた方だからこその隠せない、思わず溢れ出てしまう様な気迫を感じました。
そんな役所さんが、歳を重ねたからこそ表現したいと考えるロードムービーがとても気になります!
まとめ
授賞式に集った最優秀男優賞・最優秀女優賞の皆さんを実際にホールで見た方は、映画やドラマで覗く表情とはまた違った側面を垣間見ることが出来たのではないでしょうか。
(筆者は、役所 広司さんの何とも言えないオーラに圧倒される思いでした)
映画祭TAMAシネマフォーラムは、演者と制作者、そして作品を体感できる他の都市ではなかなか体験できない貴重な機会です。
来年度はパルテノン多摩も完成し、社会の状況も少し変わっていることが予想されます。
今後の第32回目の映画祭TAMAシネマフォーラムや、制作・上映されるであろう映画や出演者に注目です。
【多摩市】授賞式レポート②第13回TAMA映画賞で最優秀作品賞、特別賞、最優秀新進監督賞の方々についてまとめました!