【稲城市】第167回 直木賞受賞作「夜に星を放つ」に注目が集まる!稲城市出身の窪美澄さんの作品がこの夏オススメな理由
2022年7月20日に開かれた第167回芥川賞・直木賞の選考会で、稲城市出身の作家 窪美澄さんの「夜に星を放つ」が直木賞に選ばれました。
かけがえのない人や関係を失い傷ついた者が、再び誰かと心を通わせることができるのか問いかける窪美澄さんの「夜に星を放つ」は5篇からなる短編集です。
稲城市内の書店ではお祝いモードの陳列がされていました。
くまざわ書店稲城店では、これまでの窪美澄さん作品と一緒に特集が組まれていました。
映画化された「ふがいない僕は空を見た」もオススメです。
お待たせいたしました!#稲城 出身 #窪美澄 さん 直木賞 受賞作#夜に星を放つ 本日入荷!!
— くまざわ書店稲城店@毎週土日K㌽3倍✨ (@kbc_inagi) July 28, 2022
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さて、「夜に星を放つ」5篇に登場する人物は、それぞれ世代も性別も、置かれている状況も違います。
例えば「真夜中のアボカド」では、アプリで婚活中の30代独身女性が登場し、交際することになった恋人や、早世した双子の妹の彼氏との交流を描かれています。
そして「銀紙色のアンタレス」では、16歳の夏休みを満喫するため少年が登場し、祖母の住む田舎で過ごす日々の中での揺れる心を描かれています。
「真珠のスピカ」では、2ヶ月前に母親を事故で亡くし、その上、学校でいじめを受けている女子中学生が登場し、幽霊の母親と奇妙な同居生活を送る様子が描かれます。
「湿りの海」では、離婚した妻と幼い娘への喪失感を抱いたまま生活を送る男性が、隣に引っ越してきたシングルマザーとその子供との交流で心を埋めようとする姿が描かれます。
「星の隨(まにま)に」では、父の再婚相手との微妙な溝を埋められない小学生を描いています。
星座と対比して描かれる物語では、登場人物も、ついつい「何か」と比較してしまい気持ちが揺らいでしまう姿が描かれます。そういうところは筆者もチクリと針で突かれる思いでした。
誰もが、この作品の登場人物の1人に対して「自分とリンクしている」とか、「既に経験して今はその先にいるよ」という気持ちになるのではないでしょうか。
帯を見ると篇ごとの登場人物の特徴を把握することができるので、順番は気にせずに「自分に近いキャラクター」の話から読み始めてみると面白かもしれません。
今は夏休みシーズンということもあり、宿題で「読書感想文」を書く必要のある学生さんにもオススメの作品です。
窪美澄さんの文章は情景が目に浮かびやすく、とても読みやすい上、「夜に星を放つ」ではそのエッセンスが短編の中にギュッと詰め込まれているので、1篇を読むだけでも十分ホロリとくるものがありますよ♪
もちろん普段は忙しくて本を読む暇がない社会人の方も、短編だからこそ区切りながら読めるこの作品を、この機会に手に取ってみてはいかがでしょうか。